音MAD-mix作って流してもらった
12/11に秋葉原のMOGRAにて開催されたリアルイベントnerdtronics2にて自作の音MAD-mixを流してもらったので、その編集後記としてこの記事を書くことにした。既にmixはニコニコ動画に投稿したのでまだみていない人は是非。
この記事は音MADアドベントカレンダー2022に参加しています。
- 参加の経緯
- セトリ解説
- Aパート
- crasher tears you up
- ブレイクでビーツな日常 + 出てって下さい でってってっ
- ぴゃーめんぶれいくは鳴り止まないっ! + タンスの中が気になるあの子
- ダメよ〜パノプティコンなんて + サビがなかなか始まらない炉心融解
- Paprika in the Underground
- 37564 feat. 4649nadeshiko by Foxxy Dekay
- セイキンのメリークリスマス
- バーモントキッス + Everything All At Once + Kizuone + MORRIGAN - Feline (じゃかじゃんMix)
- Bパート
- こなたの回廊
- 色々な素材で四畳半神話大系 + 街に出て何をしろというのか
- 色々な素材で四畳半神話大系 + うらおもてのラバーズが!
- 綾波の声だけでエレクトロニカ + 生きてる、なぜ
- ふた※のきも※は※んとの※みつ × de1irium + 大都会ベイベー
- ありがとうって言いたいな (Garage Edit)
- 夜更けの少女たち
- Please Kill My Love + STAR FRUITS SURF RIDER GIRLS
- Secret Dream
- その他こぼれ話
- 動画
- セトリの見せ方について
- p.s. 感想 / nerdtronics2に寄せて
参加の経緯
今年の8月に主催の一人であるowataxさんからお誘いを貰い、迷わず参加を決める。
10月にやった顔合わせの食事会で参加者の人といろんな話をする。特に主催の一人であるEstlさんとVaporwaveとかSeapunkとかdariacoreとかの話ができたのが楽しかった。
自分の広い意味でのサンプリング音楽に対する興味をうまいこと昇華できないかなと考えた。
セトリ解説
タイトルはリズと青い鳥のOSTアルバム「girls,dance,staircase.」のパロディ。ぜんぜんリズと青い鳥出てこないけど女の子いっぱい出てくるのでいいかなと。
nerdtronicsという「ちょっと秘めた趣味に関するオフラインイベント」ということで「みんなのひみつ」という言葉をつけた。
Aパート
Aパートはドラムンベースを基軸にごった煮感を意識した。
crasher tears you up
sm3694791でdariacore風のもの作ってる pic.twitter.com/DhoFEByMjq
— aosushi (@walkingsushibox) November 2, 2022
- キーボードクラッシャーの叫び声ってY2KだしHyperpopだなという感覚があったでそういう方向性のeditをした。ストレスの表出としてのdariacoreと中学生のキレ芸にかなり近いものを感じる。
- DC offsetかけまくったベースがいい感じに狂った鳴りをしていてよかった。
ブレイクでビーツな日常 + 出てって下さい でってってっ
ぴゃーめんぶれいくは鳴り止まないっ! + タンスの中が気になるあの子
- 原曲がどちらも邦サブカル?ロック。タンス~はピッチ+1した。
ダメよ〜パノプティコンなんて + サビがなかなか始まらない炉心融解
Paprika in the Underground
- マジで流したかった音MAD、変拍子に切り替わるところで会場めちゃくちゃ湧いてましたね。
37564 feat. 4649nadeshiko by Foxxy Dekay
- 曲名が怖い。相対性理論のバーモントキッスが元ネタのBreakcore(Sewerslvtのflipから知った)。
セイキンのメリークリスマス
- 一つ前の曲とキーが完全に合ってるので使った。あとイベントがあった日に坂本龍一の配信ライブがあったらしいです。なんたる偶然。
バーモントキッス + Everything All At Once + Kizuone + MORRIGAN - Feline (じゃかじゃんMix)
- 37564のドロップのアーメンがBPM落としたときに音質が悪くなってしまうので、あえてキーを変えた原曲に差し替えた。足りなくなるパーカッシブな要素の補完として、じゃかじゃんMixを混ぜた。けいおん!!最近見たけど面白かった。
- Kizuoneはリード以外使わないのでEQで低域全カット。Everything~はキーもあってるし好きな曲なので中音域補完用に入れた。
- 全体にフィルターを掛けて徐々に開いていくのはowataxさんのアイディア。他にも色々とタメになるアドバイス貰いました。ありがとうございます。
Bパート
自分なりの光の音MAD?みたいな感じ
こなたの回廊
色々な素材で四畳半神話大系 + 街に出て何をしろというのか
- ラップ調の音MADをセリフだけ抽出して別の動画に乗せるというのやりたかったので出来て嬉しい。四畳半神話大系も最近見たばっかなので私的激アツマッシュアップになった。
- YTPMVの原曲よりもやや粗めのダイナミクスがいい感じの箱鳴りで良かった。
- よく考えたらこのセット 気になるあの子、バーモントキッス、神様のいうとおり とやくしまるえつこが関わっている曲が3曲も入っている。やくしまるえつこさんのことが好きすぎるかもしれない。
色々な素材で四畳半神話大系 + うらおもてのラバーズが!
- 奇跡的に思いついたマッシュアップ。うらおもて~はピッチ+1してます。
綾波の声だけでエレクトロニカ + 生きてる、なぜ
- 生きてる、なぜ は歌声リップ使って原曲を消した。
- nerdtronicsのおそらく元ネタであるnerdtronicのパイオニア、Go Qualia氏の曲を使えたのは大きかった。
ふた※のきも※は※んとの※みつ × de1irium + 大都会ベイベー
- y0c1eは敬愛するアーティストの一人なので、de1iriumが流せて良かった。めちゃくちゃに良いローが出てた。
- 大都会ベイベーはentropy:EQ+っていうトランジエントを帯域ごとに弄れるvstでハイハットを消した。
ありがとうって言いたいな (Garage Edit)
- この後に流れるSFSRのリードはユーリ(少女週末旅行)の声で作ってるので、久保ユリカ繋ぎが発生している。
- このMIXではdfさんによるGarage Editを使った。
夜更けの少女たち
- 僕が一番影響を受けている音MAD作者である少々さんの動画。Windows効果音シリーズが一番有名だけど、今回採用した動画は放送終了時に流れる1kHzのサイン波が素材の音ゲーMAD。素材のチョイスがカッコ良すぎる。
- もともと三拍子の動画なので引き延ばしたりチョップしたりして四拍子になじむようにしている。
Please Kill My Love + STAR FRUITS SURF RIDER GIRLS
- 一番好きな音MADに自分が関わってきた中で一番好きな動画混ぜた。盛り上がって嬉しかった。
- SFSRGはステムが残ってたので聴かせたい音だけ使った(ボーカル、ハモリ、リード)。さらにWavesのVitaminっていうソフト使って全体的にhigh midを盛った。
- キルミーダンスがSFSRGの小窓にハマってて面白かった。ちなみに、SFSRGは関わった人全員の仕事が映るように編集しています。
Secret Dream
- 最後の通用口を抜けて出ていくところをどうしても締めに使いたかった。
- 前のセクションと比べて元の音圧が低めなのでマスターリミッターのin gainを3~4db上げてる。
- 最後に出してる画像はセトリのWEBのスクショを使っている。
その他こぼれ話
- Mixを作るにあたって竹塔さんのブロマガ(はてブロ)を大いに参考にした (https://taket-a.hateblo.jp/entry/ar1844240)。特にrekorbox djのプレミアム機能であるmp4のキー解析が実用的だった。またプレミアム機能には1か月のトライアル期間があり、これが締め切りに間に合わせる上で時間的にいいインセンティブになった。
動画
作るときに気を付けたこと
- 複数の動画を重ねるときはシーンが変わるごとに細かく主従を切り替えるように意識した。例えば四畳半神話大系パートではカットごとに切り替えている。
- 動画制作ではOpenCV AnimationというAviUtlのスクリプトを酷使した。特にエッジ抽出は何回も使っている。
- VJとして箱で流れる以上、ディテールには凝りすぎないようにした。一方でフラッシュや暗転など輝度が切り替わるような編集を多用してアクセントになるようにした。
セトリの見せ方について
ちょっと凝った見せ方がしたくて専用のWEBを作った。Appleのフォントを使っているのでiPhoneとかで見るとマジできれいなはず。
リンクをJSONで管理できるようにしたので、今後DJしたときはここに載せていく所存。頑張るぞ。
p.s. 感想 / nerdtronics2に寄せて
色々と書いて気付いたがこのmixは本当に自分の好きなものだけで構成されている。今になって恥ずかしくなってきたけれど、こんな好き勝手やっているセットでちゃんと盛り上がっていたあの空間はやさしいせかいだと思った。
はじめにで「参加は迷わず決めた」と書いたが実は全然そんなことはない(あれは嘘だ)。というのも、自分の中で音MADに関するかなり複雑な気持ちがあるからだ。理由はいろいろあるけど、界隈が根本的に抱えているホモソーシャル性とか、まったくお金にならないくせに時間ばっかりかかるところとか、そもそも他人の作ったものを冒涜的に切り貼りして承認欲求を見たしている事実とか......(特定の誰かを断罪したいわけではない)。
その一方で、自分が音MADがマジでカッコよくて最高だと思っているのも事実である。音声/動画/テキスト/画像 インターネットにアップロードされたあらゆるメディアを横断的に巻き込んで、全く新しい文脈として提示する人々の姿勢に感嘆して、青春のある程度の時間を割いてこれに向き合ってきたのもまた事実である。
また、今僕が一番興味を持っている音楽に関しても、音MADが原体験にある。クラブ音楽を聴いたことなかった自分がそういう曲を聴くようになったのは確実に音ゲーMADの影響ではあるし、僕が今所属する大学の軽音サークルの門をたたいたのは、新歓でやってたSUNNY CAR WASHのキルミーに感動したからだったりする(ご存知R.M.さんのキルミーの原曲です)。
音MADは自分の音楽体験の原点にあるし、大切にしていきたいアイデンティではあるものの、僕がそれを作る人間であったこと、それを作る人々の輪の中にいたという事に関して、いまだに若干のうしろめたさを感じながら生きている。
ただ人付き合いを嫌って逃げ込んで見ていたパソコン画面上の、あの重なり合って見えなくなるたくさんのコメントが、ああやって実際に耳に聞こえる合唱になる瞬間というのは恥ずかしいとかそういうのを超えてマジで感動した。英語圏にはCringeとかBasedという言葉があるらしく(ニュアンスの解説はこのツイートとかみてほしい)、あの空間はまさしくCringeが反転して究極的にBasedな空間だったと思う。
他人と付き合うのが別に特段上手いわけでもなかった自分に、ある程度の居場所を与えてくれたのが僕にとってのニコニコ動画、特に音MAD界隈だったわけで、そこで得た友人たちやお世話になった人たちと夢のような楽しい時間を共有できたのは素晴らしいことだと思う。僕なりの界隈への恩返しができていたらとてもうれしい。
このような機会を与えてくれた運営の方々にはとても感謝しています。3があったらまた呼んでください。また演者として出れるかわかりませんが......。